普通は楽譜の調性どおり(例えばin B♭ならB♭の音)、もしくは実音Cの音を「ド」と呼ぶだろう。
(固定ド唱法を基準に話を進めます)
しかしながらここに「in Cの楽譜でありながらB♭の音を『ド』と呼ぶ奴ら」がいる。
主として中学校の吹奏楽部で初めてヘ音記号にふれたEuph、Tubaの連中(特に男子)である。
なぜならどのみちへ音記号が読めないのだから楽器の都合に合わせたほうが教える方も教えられる方もわかりやすいのである。
そうしてしばらくすると、自然と「in Cの楽譜をin B♭で読む」という芸当が(それが特殊なことだとは知らずに)出来るようになる。
独式実音名 | 階名 |
C | レ |
D | ミ |
E | ファのナチュラル |
F | ソ |
G | ラ |
A | シ |
H | ドのナチュラル |
Es | ファ(のフラット) |
B | ド(のフラット) |
ピアノなどの「健全な音楽教育」を受けた方には信じられないかもしれないが、この読み方では
「ドとファにフラットがついているのが普通」なのである。
したがって、C Durの譜面など見せると、「フラットついてな~い!!」などと嫌がるのである。
極端なことを行ってしまうと「#2個より♭5個のほうが楽」なのである。
なぜなら「ドとファをナチュラルにしなくていい」から。
この読み方、とりあえず最初に習得したその楽器のみを一生続けるのであれば特に問題はない。
しかしながらより高度な音楽教育を受けたいとなると話は別なのである。
まず最初にぶつかる大きな壁、それは「聴音」である。
なぜかというと、『inC譜・inB♭読み』をしている人間でも、
「ト音記号の楽譜(in C)を見せるとin Cで読む」
のである。するとどうなるか。
なんと4声の聴音をさせると「Sop.とAlt.は普通に取るが、Ten.とBas.はin B♭で取ってin Cで書く」のである。
これでAltoとTenorが近くなったらもう大変である。
何を隠そうこれを書いている自分自身がその苦悩に悩まされている。
・・・世の中にはこんな変な人たちがいる、そういうことをとりあえず認識してもらえれば幸いです。